新聞記事を分かりやすくリライトしています。
北陸新幹線の敦賀以西ルート。
建設の認可着工には沿線自治体の同意だけでなく、コストに見合う投資かどうかを示す「費用対効果(B/C)」が重要な判断指標になります。
このB/Cは、開業による経済効果を建設費で割った数値。
1を上回れば投資に見合うとされ、新幹線着工の“5条件”の一つに組み込まれています。
岡田議員の試算──小浜は採算割れ、米原は可能性あり
北陸新幹線建設促進県民会議で登壇した岡田参院議員は、独自に進めている費用対効果の試算結果を報告しました。
その見通しはこのようになります。
- 小浜ルート:建設コストの膨張でB/Cが大幅に1を下回る可能性。
- 米原ルート:B/Cは2を切るが、1は大きく上回る見込み。
岡田氏は、月内に県関係国会議員でつくる研究会で有識者から詳細な試算データを受け取る予定だとしています。
2016年との比較──数字の変化が鮮明に
2016年のルート決定時は、小浜が1.1、米原が2.2と、どちらも採算ラインを超えていました。
当時の建設費は、
- 小浜:約2兆1,000億円
- 米原:約5,900億円
しかし、資材高騰などで情勢は一変。
国土交通省試算では小浜は最大5兆円超、岡田氏の自主研究会試算では米原が9,000億円〜1兆6,000億円にまで膨らむ見通しです。
政治・地域への影響
岡田氏は、米原ルートに舵を切る場合、福井県や小浜市に対して交通政策などで「特段の配慮が必要」とも言及しています。
また、滋賀県の三日月知事は米原案に慎重で、岡田氏は「大阪、京都を含む関西広域連合として最適解をもう一度議論してほしい」と訴えています。
そして米原案の最大の課題の一つが、JR西日本とJR東海の利害調整。
岡田氏は「新幹線完成による恩恵を考えれば、互恵関係で利益を上げられる」と前向きな見解を示しました。
今後の流れ
与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)がルート再検証を行う予定です。
岡田氏の試算と同じ結論が出るのか、それとも異なる答えになるのか──敦賀以西の議論は、これからが山場になります。
コメント